阿部ちゃん短編集

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『…んっ…、しょーたぁ…』

朝、体を誰かに抱きしめられてる感覚がした。

昨晩は翔太と飲みに行って、元々翔太の家に泊る気だったことを思い出し、翔太だと思った。

『しょーた、おもい…。あと、ちかいって…』

いい歳して、こんなにべたべたしてくるような奴じゃないんだけど…
そう思って、寝返りをうって目を開ける。

そこには翔太じゃなくて、亮平の姿。

『えっ、何で？あれ？何でここに亮平が…。ってか起きてたの？』
阿「うん、起きてた。あや…」
『ん？』
阿「ごめんね。翔太から全部聞いた。不安にさせちゃったね…」

そう言って、私を抱きしめる。

『私も、亮平がお仕事の話してくれてただけなのに…』
阿「俺が悪いから。翔太に軽く怒られたしｗ」
『怒られたの？』
阿「あやの事、不安にさせたら、付き合い認めないんだって」
『翔太に権限無くない？』
阿「身内だから少しはあるだろってｗ俺、あやいない生活考えられないし」
『私も。結婚するなら、亮平みたいな人が良い』
阿「そこ、俺じゃないの？ｗ」

そう言うと、私をそのまま抱き寄せる。

阿「俺は、あやがいいなぁ」
『プロポーズはちゃんとしてほしいなぁ…』
阿「ははっｗ分かってるよｗ」

私が顔を上げると、自然と重なる唇。

『好き』
阿「俺も」




阿「あ、そうだ」
『今度は何？』
阿「寝起きの甘ったるい声で翔太って言うな。あと…」
『あと？』
阿「翔太と飲み行くときに、可愛い下着で行くの禁止！あいつだって男なんだから」
『そこ？』
阿「うん、従兄だとしても、何かヤダ…」
『ふっｗ可愛いｗ』
阿「笑うなよ！ｗ」

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