乾杯と料理 ページ7
?「まずは席について。今いる人だけでも、乾杯をしよう」
「乾杯」
グラスに注がれた金色のシャンパンを掲げて乾杯すると、それを合図に執事の男性が次々と大皿の料理を運びこんできた
『…』
手にしたシャンパンにそのまま口をつける気にはなれず、そのままグラスを置く
チラッ、と目の前の男性たちを眺める
(…なんで男性しかいないの?…でもかなり顔がいいわね)
そう、この女、目の付け所がおかしい
それもそのはず…この女は完璧なエリートにして、大の2次元好き。
2次元、2.5次元、声優、夢女子、腐女子、姫女子とだいたいのオタクの道を全て通った末期のオタクだ
(にしても…共通点が全くないわね…)
(特別仲がよろしいわけでもなさそうだし)
そう下心も含んだ目で眺めている私に、屋敷の主らしき男性がグラスを近づける
?「今宵の奇跡的で運命的な出会いに感謝するよ」
『えぇ』
断るのも悪いので、ニコッと微笑み2度目の乾杯を彼と交わす
男性が横でシャンパンを飲み干すのをみて、私も軽く口をつける
料理からはいい匂いが立ち上り、身体は少しの空腹を感じていた
(少し手をつけるか…)
私は小さく息をつくと、目の前の色鮮やかなテリーヌにナイフを入れた
『美味しい…』
(人の作った料理を食べたのはいつぶりかしら)
?「お気に召したようで何よりだ」
男性に微笑まれ、私もわずわずかに微笑む
?「…さて、みんな食事は進んでいるようだね」
男性が部屋全体へ声をかけるとそれまで話をしていた男性たちの視線が彼へと集まる
?「せっかくだから、彼女のために自己紹介をしようか」
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作者名:朱華 | 作成日時:2021年1月24日 19時