マイヒーロー【守沢千秋】 ページ50
目覚めてもこれは夢ではなくて、あの恐ろしい人が俺の横にいた。相変わらず、手錠も首輪も付いたまま。
『あの、ま、まだここに居るの？』
「そんなに家に行きたいの？可愛いなぁ」
『そうじゃなくて……学院に行かないと、他にもファンが待ってるんだ』
「…………なんでそんな事言うの」
鎖を急に掴み自分の方に引き寄せるため、俺も当然のように首輪で絞められる。
痛い、と訴えても意味が無い。
「なんでそんな事言うの？他のファンじゃなくて、俺だけを見て。目を離さないで」
『ひっ、わ、分かった……や、やめて』
その時、突然扉が外れ壊された。
彼の動きもその衝撃音と共に止まった。
そこに立っていたのは、
『も、守沢……』
息を切らして、俺の顔を見て顔を真っ青にしていた。
「ごめんな、遅れてしまって」
なぜか俺よりも辛そうに笑って俺の首を絞めていた人を思いっきり蹴る。
守沢の怒っている顔を初めて見た。
『守沢、落ち着いて、ね？ほら、話せるしそんな傷つけられてないし』
「……口から、血が出ているのにか？痣が、数えられないほどあるのに、か？」
守沢の睨み顔に少し怯んでしまう。でも、ここで守沢がやりすぎたら逆に悪者扱いになってしまう。
やめて、と腕を掴み頼む。するとやっと正気に戻り俺を急に抱きしめてきた。
「ごめんな……」
『いや、守沢は悪くないよ。ほら、俺は人気ないし、そんな迷惑ならないから逆に良かったよ』
「良かったなんて言うな」
怒った顔で守沢が言った。
その後、急いで先生達が駆けつけてきて、男を警察に任せ、急遽保健室に行くことになった。
『……守沢、もう帰っていいよ？』
「無理だ。守ると言ったのに……俺は、守れなかった。だから、こんな目に遭わせてしまった」
『だから、守沢のせいじゃないよ。この事件は仕方ないんだ』
ヒーローになる
そう常に言ってる彼だからこそ、責任感もその分強い。
「こんなんじゃ、ヒーローじゃないよな……。大切な人を、守れないヒーローなんて居ない」
『「ヒーローはヒーローとして生まれるんじゃない、ヒーローになるんだ」……こう言ったのは誰だっけ』
『あの場所で、助けてくれた守沢は俺にとって1番のヒーローだよ。守沢はヒーローになれるよ』
そう言うと、少し涙ぐむ守沢。
本当に、情けないなぁ……。
『流星レッド、ありがとう』
彼は、俺の、一番好きなヒーロー。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←マイヒーロー【守沢千秋】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 了解です！！ (2019年8月8日 21時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 宗さんとみかちがいいですか！ (2019年8月8日 20時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» キャラ誰がいいですか？？ (2019年8月8日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 分かりました！リクエストありがとうございます^^* (2019年8月6日 7時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - ２人が夢主が好きで夢主にアピールしてるのに全然きずかないのが見たいです。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
