【ツイステ】攻略できないキミのこと【男主】

15.焼け石に水 ページ15

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『ど、どうした？』









駆けつけた先には、さっき見たメンバーと学園長。


デュースは拳をもう片方の手に打ち、昔と同じ悪い顔をしている。今から喧嘩でも始めるのか。









「Aか、どうしたんだ」

『こっちのセリフだって。なにか叫んでいたけど』

「寮長と決闘することになったんだ」









……んん？


馬鹿な。ハーツラビュル寮の寮長は、今まで上級生誰一人決闘を申し込まないほど、圧倒的な力を持っているというのに勝てるわけが無い。

ていうか、デュース。優等生になるんじゃなかったのか？決闘なんて優等生は勝ち勝負以外しないだろう。









『……トレイ先輩が？』

「僕とエースだ」









何でドヤ顔で言うんだ。


呆れて物が言えない。
トレイ先輩も焦っている様子。それに比べ、他監督生やグリムはやる気に満ちている。


……流石、問題児組とでも言えば良いのか。
入学式直ぐにシャンデリアを壊したり、魔力を持たない生徒、と個性が強い人達だ。あまり関わりたくないことが本音。









『デュースは本当に馬鹿だね。寮長がどれだけ強いか知らないの？』

「ば、馬鹿って。男なら拳で勝負しないといけないんだよ」

『いや、俺にも負けるヤツが何を言ってるのか』









デュースが図星を食らったかのような顔をする。

しかし、俺がどう言っても今のデュースにはダメージを与えれないようだ。
そして、無理に余裕を繕うように口角を上げて提案をしてきた。









「じゃ、じゃあ賭けようじゃないか。僕が勝ったら一つ頼み事を聞いてくれ」

『デュースが負けるに10億マドル』

「酷すぎじゃないか」









こんな賭け、しても意味が無いくらいだ。

すると、後ろから見ていた学園長がこんなことを言ってきた。









「折角ですから、Aくんも来たらどうですか？」

『……えっ、な、何で俺がですか？』

「折角の友人の決闘を見守ってあげませんか？……だってスペードくんの友人ならば彼が暴力で解決しようとした時に止めてくれそうですし」









最後の言葉が本音なんだろうが。









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