13.宝石の涙 ページ13
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『……ハーツラビュル寮って、今何か問題があるの?』
勉強を再開させた時に、二人に聞いてみた。
二人の答えは「分からない」
まあ、当然か。二人は違う寮なのだから。
「Aはハーツラビュルっぽいよな」
『よく言われる。何でそう思うの?』
「雰囲気、か?」
何で疑問形で答えるんだ、と少し笑う。
確かに俺自身薔薇の国出身だしさも当然かのように考えていたが、ディアソムニア寮と言われて不思議と違和感は感じなかった。
二人は逆にお似合いの寮だと思う。
『ジャックくんはサバナクローって感じだよね』
「エペルも似合ってるな」
「え……僕はジャックくんが羨ましい、かな」
え?
つい声が出て口を噤む。
今なんて言った?まさか、サバナクロー寮が羨ましい、と言いたいのか。
確かに、厳しそうなポムフィオーレ寮に比べたら、基本個人主義でのびのびと出来そうなサバナクロー寮も良いとは思うが、君が……?
「ワイルドで勇ましいし、僕の理想だよ。僕は別にマカロンを好きになる為にこの学園に入ったわけじゃないのに!」
目を大きく開いて怒るように言うエペルくん。
その後、顔にやっちまったとでも書いてあるように「あ」と声を漏らして口を開いた。
……マジか。衝撃の事実。
予想外過ぎて、ぷッ、と笑い声が吹き出た。
「え、何で笑ったの?」
俺が何故笑ったのか理解出来ていないエペルくんに尚更ツボに入って、笑いが止まらない。
口を閉じて抑えようとするが小刻みに震えてしまう。
『ご、ごめん。ふ、面白くて、ははっ』
図書室だから静かにしないといけないのに俺の笑い声は何故か止まってくれない。
すると、突然エペルくんの手が俺の顔に近づく。
「涙。宝石みたい」
俺の目に溜まって流れた涙をそう言って拭った。
……褒めているのだろうか。
そんな言葉をかけるエペルくんこそ、息を飲むほど端正な顔立ちだと思うけど。
「コラ、君たち!図書室では静かに!!!」
学園長の声が聞こえた。驚いた反動により立ち上がる。
その声の元はさっきトレイ先輩がいた場所からだ。デュースが何かやらかしたのか。心配だ。何でこうも普通の優等生になってくれないんだ、彼奴は。
「どうした、A」
『ごめん。ちょっと席外す。遅かったら先に帰っていて』
二人の返事を聞く前にそのままデュースの居る場所へ足を動かした。
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どぽぽ2(プロフ) - びっぐとまとさん» 喜んでいただいて本当に本当に嬉しいです(T ^ T)ツイステ沼深くてついつい書いちゃいますがそのようなお言葉を頂けて尚更執筆意欲が上がります(´`*)今後ともよろしくお願いします! (2020年8月21日 3時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - ああ〜〜!!!どぽぽさんの男主は本当に外れなくて好きです!!!ツイステ書きはじめた時しんどすぎて叫びました…好きです… (2020年8月20日 23時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 羅ヰ太郎さん» 自分でも男主くんのキャラを結構好んでいたので嬉しいです(*^^*)私もそんな読者様が大好き((殴こちらこそ、これからもよろしくお願いします!! (2020年8月8日 22時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅ヰ太郎(プロフ) - うわぁどっちゃくそ好きです!男主くんいいキャラしとりますやん!大好き()、めっちゃ応援してます!頑張って下さい! (2020年8月8日 22時) (レス) id: ca5d2ee34d (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - マチさん» 初コメありがとうございます(*^^*)めっっっっっちゃ嬉しいです!!これからもよろしくお願いします(´`*) (2020年7月31日 5時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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