première étoile (ページ3)

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翌日。今日の分のレッスンが終わり自主練をしようかという時、ミンホさんは約束通り練習室に来てくれた。

『昨日勢いで教えるって言っちゃったけど……』

『けど？』

『ただで教えるわけにはいかないから、Aにして欲しいことがある』

『なんです？私なんかにできることなら何でもしますよ』

『日本語を教えて欲しい』

『そんなことでいいなら！全然やりますよ！！』

ミンホさんは『そう？ありがとう』と言って目を細めて笑った。

いつも真顔しか見た事がなかったから驚いた。真顔は近寄り難い綺麗さがあるけど、笑った顔はなんだかあどけなくて可愛らしい。

「って、年上の男性相手に何考えてるの、私ったら…」

『え、なんて？』

『いやなんでもないです！』

ともかく、こうして境遇も性別も国籍すら違う、元はと言えばただ入社したタイミングが同じだっただけの私たちのすこし奇妙な共助関係がスタートした。