première étoile (ページ1)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:8,667 hit

ep.1 出会いページ1

『A、本当にアイドルになる気はあるの？歌もダンスも他の人より遅れてるし、韓国語も全然上達しないじゃない。やる気がないなら今すぐ日本に帰ってちょうだい。』

トレーナーさんに厳しい口調でそう言われ、私は返す言葉が見つからなかった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

韓国アイドルになる夢を叶えるべく一念発起して韓国に来た私。第一希望だったSMのオーディションにはあっさり落ちてしまったが、その帰りになんとあのJYPにスカウトされた。

そのあと非公開のオーディションを受けて、私はJYPに入社することが決定した。これからアイドルになれる保証がある訳でもないけど、もし上手くいってここからデビュー出来たらほぼ確実に人気者になれると思うと、やっぱり胸がワクワクした。

けど現実はやはりそう甘くなかった。

まず韓国語が分からなかったせいでトレーナーさんや周りの練習生の人達が言っていることが分からず、見当違いな行動をしてしまい何度も怒られた。

さらに私は周りに実力で遅れをとっていた。元々日本でダンスは習っていたけど…練習生の皆はプロを目指しているのだ、趣味程度で踊っていただけの私の実力では周りの相手にもならなかった。

「1、2、3、4……」

ここ最近は周りとの遅れを取り戻すため、レッスンが終わってからも練習室に籠ってひたすら自主練をするのが夜の日課となっていた。

…そういえば、最後に3時間以上寝たのはいつだっただろうか。

そんなことを考えつつも必死に踊っていた私は、後ろのドアから人が入ってきたことに気づかなかった。

『まだ練習してるの？』

「わっ！！」