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ガタンッ
バッと振り向くと…
結｢ごめん…｣
錦｢Aさん、すばるくんと付き合ってたんや｣
結と錦戸くんがいた。
私は錦戸くんの発言に眉間にシワを寄せる。
錦｢そんな顔せんといてくださいよ。可愛い顔が台無しっすよ｣
……錦戸くんって、こんな子だったっけ？もっとピュアっぽそうだったのに…。
結｢A？大丈夫？｣
あ｢…うん、大丈夫｣
今戻れないだろうし、と結は先程まで錦戸くんと一緒にいたという会議室のひとつに私を招いた。
錦｢Aさん、もうすばるくんのこと好きやないんすか？｣
入った途端、そんなことを聞かれるんだからこの人は空気が読めないんじゃないかと思う。
結｢ちょ、亮くん｣
あ｢……亮くん！！？｣
私は驚きで、大きな声が出てしまった。
錦｢あ、Aさんも呼びたいっすか？えぇですよ(笑)｣
わざとなのか、本音で言ってるのか分からないけど、彼の笑顔には本当に騙されそうになる。
あ｢え、いや…大丈夫です｣
結｢いいじゃん、亮くんもそう言ってるんだし！｣
……結と錦戸くん。なんか距離が近くなってる？まぁ、いいことだね。
結｢もうすぐお昼だし、ここ片付けようか｣
錦｢はい｣
あ｢あ、私も手伝うね｣
結｢ありがとう！｣
プレゼンテーションで使ったと思われる資料を結に聞きながら、順番通りになおしていく。
錦｢すばるくんから、ずっとお前しか頭になかった、て言われてどう思いました？｣
私の手が止まってしまった。
それに気づいた彼は、目尻を下げて子犬のような顔をする。
錦｢すみません｣
きちんと謝った彼は、空気が読めないわけではないみたい。
あ｢ううん…｣
錦｢いや、すばるくんと俺、家が近くなんすよ。せやからちっちゃい時からすばるくんの隣におるきっれーな女の人誰かなぁて思ってたら…｣
結｢Aだったの？｣
あ｢うーん、錦戸くんと会った覚えはないし……違うと思うけどなぁ｣
錦｢…いえ、Aさんでしたよ｣
懐かしむように、切なげにそう言う錦戸くん。何を、思い出しているのだろう。
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作者名：きりん | 作成日時：2018年4月7日 20時
