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トンと肩に手が置かれ、ビクと大きく体が揺れてしまった。
？｢Aさん？｣
振り返ると、そこにいたのは大倉くんだった。
あ｢ぁ…あぁ、どうしたの？｣
大｢なんか思いつめた顔してましたけど…｣
あ｢あー、いや…残業になりそうだなぁて｣
……あっ！！！！！そうだ！残業があるから、って断ろう。
私、すごい！いいこと思いついちゃった。
あ、でも社長って嘘見抜くの上手いんだよなぁ。
いやでも、バレるより二人っきりでご飯の方が辛いし…
大｢Aさん、めっちゃ百面相してはる(笑)｣
あ｢あっ…ご、ごめんね｣
大倉くんから話しかけられたことを忘れていた。
大｢いや、えぇんすよ。ここ教えて欲しいんですけど…｣
と出してきた書類はまだ昨日渡したばっかりのもの。
あ｢え！はや…｣
大｢えー、ほんまですか？｣
あ｢うん。新入社員とは思えないね｣
そう言いながら、教えて欲しいと指さされた場所を確認する。
あ｢あ、ここは…｣
と大倉くんに教える。すると、うんうんと頷く。
あ｢わかったかな？他になにか聞きたいことある？｣
大｢分かりました。今のとこないです！｣
ニコと笑顔つきで返答が返ってきた。
可愛いなぁ、なんて思ってその顔を見てると…
大｢ぁ…A、さん？｣
急に照れたような顔になって、顔を逸らした。
あ｢ん？どうしたの？｣
大｢今日、…暇ですか？｣
真剣な眼差しで私を見る大倉くん。少しときめいてしまったのは不可抗力だよね。
あ｢今日は…｣
と考えると、ひとついいことを思いついた。社長からのお誘いは断って、元々大倉くんとご飯に行く約束をしていたってことにしようかな。
私は大倉くんの教育係だし、変に怪しまれないだろう。なんなら結と錦戸くんも呼んでみるか。
あ｢暇だよ｣
大｢ほんまですかっ！なら、ご飯行きませんか？｣
あ｢私もそう言おうかとしてた(笑)あと、結と錦戸くんも呼ばない？｣
大｢えっ｣
大倉くんならすぐにうん、という返事が返ってくると思ってたのに、返ってきたのはびっくりするような返事。
大｢いや、えぇっすよ。呼びましょう！｣
しかしすぐに大倉くんはOKの返事をしてくれた。
あ｢うん。じゃあ私は結を誘うから、大倉くんは錦戸くん誘ってくれない？｣
大｢分かりました。返事来たら言いますね｣
あ｢うん、よろしくね｣
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作者名：きりん | 作成日時：2018年4月7日 20時
