オフィスラブ（緑） (ページ16)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:78,218 hit

16 ページ16

大｢…Aさん、すばるくんと付き合ってたんですね…｣

あ｢大倉くんっ！？｣

振り返ると、大倉がいた。

あ｢…いや、その…昔、ね｣

大｢せやからすばるくん、Aさんだけ呼び捨てやったんすね｣

納得したかのように、目を伏せながら言う。

大｢あーぁ、俺勝てへんやん…｣

あ｢え？｣

大｢…亮ちゃんから聞いてますよね？｣

何のことか分からなくて、返事をしないでいると…

大｢俺がAさんのこと好きって｣

まさか、彼から直接聞くなんて思っていなかったから、驚いてしまう。

大｢前…、すばるくんと俺がご飯食べいった時、すばるくん会社の社長でイケメンじゃないすか？やから、なんとなく気になったから彼女おるか聞いたんです。そしたら、｣

大｢……忘れられへん女がおるって｣

あ｢…、｣

大｢…それ聞いて、その女の人は幸せやなぁて思ったんやけど…｣

すると、急に真剣な顔つきになった。

大｢それがAさんって知ったら、そう思えなくなったんです…｣

大｢それと同時に、すばるくんには勝たれへんって思うたんすよ｣

大｢やって、すばるくんとAさん別れたの10年前でしょ？…それからずっとAさんのこと想ってたてことですやんか｣

あ｢…ちが、うよ…。すばるは10年間のあいだにも彼女がいたから！｣

私は慌てて手で口を押さえる。

大｢…すばる、て呼んでたんすね｣

あ｢…それ、は｣

…私は口を閉ざしてしまった。

？｢何してるん？｣

大｢…亮、ちゃ｣

あ｢錦戸、くん…？｣

錦｢…なに先輩困らせてんの｣

ギロと睨んだ錦戸くん。その視線の先は、大倉くんだった。

あ｢ちがっ、私が、｣

私が変なことを言ってしまったんだし、それを大倉くんのせいにしたら申し訳ない。そう言おうとしたのに、

錦｢Aさんはえぇんです｣

私の前に立ち、大倉くんと向かいあわせになる。

錦｢Aさん困らせんなや｣

大｢…亮ちゃんに関係ないやん｣

錦｢あるわ、ボケ！……いくらお前でも俺の好きな人に何かしたら許さへん｣

大｢…え、亮…ちゃん？｣

錦｢Aさん、行きましょ｣

気まずくならないようにするためか、私を連れ出す錦戸くん。