オフィスラブ（緑） (ページ12)

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結局、昨日は行かなかった。大倉くんにそう伝える時、凄く申し訳なかった。何より、行けなくなったのは私が原因だし…何も知らない大倉くんに失礼だと思った。

その時後ろに気配を感じて、振り向く。そこには錦戸くんがいた。まだ会社に来たばかりなのか、カバンを持ったままで、普段かけない眼鏡をかけていた。

そのビジュアルは、OLたちから黄色い歓声を浴びるだろう。

錦｢なんで行かへんかったんですか？｣

あ｢…錦戸、くん？｣

何のことか分からなくて、返事をしないでいると、スマホを取り出しなにか操作し出した。

錦｢これ｣

それは大倉くんとのLINEで…。

大｢亮ちゃん！Aさんをご飯に誘えたで！！｣

大｢Aさんが亮ちゃんと結さんも一緒に行こう言うてるからさ、今日暇？｣

それから数時間後…。その時間は、私が大倉くんに断りを入れた時間とちょうど重なる。

大｢なしになったー｣

大｢なんか焦ってるように見えたけど、なんかあったんかな？なんて聞くのがえぇ？それとも聞かへんほうがえぇのかな？｣

という大倉くんからのLINE。

自分のしてしまったことが一人の人を苦しめていることに気づき、悔しくて下唇を噛んでしまう。

錦｢おーくら、珍しく落ち込んでましたよ｣

あんなイケメン落ち込ませたらあかんでしょ、なんて付け加える。

昨日までは要望があれば、社長のために動くと言って、今日は大倉くんの心配…？

錦戸くんが分からなくなる。

ねえ、あなたは一体誰の味方なの…？