テンタコル ページ11
事務所の先輩に呼ばれた部屋に向かえば、その部屋から聞き覚えのある声がした。
個性を使って複製腕で耳を作り出し、それを近づければ聞こえてきたのは…
『そうですね。でもあの場には信頼出来る仲間がいました。必ず一般市民を避難させてくれる、もしそうなっても絶対に一般市民を守ってくれる仲間が…だからこそ私はこの作戦しかないと思いました』
輪月と思われる声だったが、聞いたことのある声じゃなかった。気迫というものだろうか、人を圧倒させるような声だった。
それを彼女の口から聞いたことなくて、思わず口を開いてしまった。
障子「…輪月？」
そしてその言葉が聞こえてすぐに、誰かがこちらへ近づく音がして扉が開けば、そこには俺を呼んだ先輩がいた。
なぜだかバツが悪そうな顔をして、そのまま俺の横を通り過ぎていった。
その背中を見ていると、声がした。
『あれ、障子くんじゃん！久しぶり！』
それはいつもと変わらない輪月だった。
先程の声は、言葉はどんな意味なのだろうか。あの先輩を圧倒させるほどの気迫を、彼女は何故出したのだろうか。
そんなことを思いながら、ふと輪月の近くにいた耳郎が目に入った。
障子「…」
声をかけようとしたが、思わず息が詰まった。
耳郎は輪月を見ていた。正確には、泣きそうな顔で。
何故そんな顔をしているのか分からない。
輪月は優しい。きっとあの先輩に何か言われて、きっとあのような事を言ったのだろう。
だけど、耳郎がそのような顔をするのは分からない。聞けばいいのだろうが、そんな簡単に聞けるはずもない。
分からない、分からないんだ。
誰かが泣きそうな顔をしている時に、どうやって手を差し伸べればいいのか、声をかければいいのか。
勇気を、希望を与えるためにどうすればいいのか…分からない。
『障子くん？怖い顔してどうしたの？』
すると優しい声が聞こえて、そちらを向けば輪月が優しい顔をしていた。
彼女は時々、酷く優しそうな顔をする。
その時ふと思い出した。
彼女がこんな顔をしている時はいつも、誰かに勇気や希望を与えていることに。
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きりん(プロフ) - あのさん» 嬉しいお言葉ばかりありがとうございます🙇♀️ご期待に添えることが出来るか分かりませんが、頑張ります！これからも見ていただけると嬉しいです☺️ (2021年12月2日 1時) (
レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 続編おめでとうございます👏どんなコメント何でしょうね？？私の想像力ではなにも分かりませぬ((( 終始ニヤケながら見ておりました(^ω^) 続き楽しみです(*´∇｀*) (2021年11月30日 20時) (レス) @page4 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん | 作成日時：2021年11月30日 2時
