黒霧 ページ27
用事が終わり、アジトのある建物のドアノブに手をかけた。
黒霧「…？」
その時、ドンと何かがぶつかった。
下を見てみるとそこには座り込む女の子がいた。
『…ふぇ、ぇええええん』
泣き出してしまった。そのまま無視しようとドアノブを回しかけたが…
「何か声聞こえね？」
「子供の声か？行ってみるか？」
この道に面した開けた道からそんな声が聞こえた。
このままだとこのアジトがバレてしまう。面倒なことになると判断した私は、口を開いた。
黒霧「お嬢さん、大丈夫ですか？ぶつかってすみません」
『…おに、ちゃん…すけてる』
手を差し出せば、ジィと手を凝視され、そんなことを言われた。
黒霧「これは個性です」
『こ、せー』
見た目は3.4歳。個性が出てもおかしくない時期だが、まだわかっていない様子を見ればまだ個性が発現しているわけじゃないのだろう。
黒霧「はい。ところであなたは何故ここに？」
『…わかんない、』
黒霧「そうですか…」
声をかけてしまった手前、そのままにしておくことも出来ずどうしようかと思った時…
『おにぃ、ちゃ！ふわふわ、！』
手に何かが触れる感覚がして、そう言われた。
黒霧「ふわふわ…ですか？」
何のことかとそう問えば、女の子は笑った。
至極嬉しそうに。
『うん！うさぎっ…おなじ！』
黒霧「…そうですか」
それはまるでうさぎを優しく撫でるように、何度も私の手を撫でた。
『おにいちゃ、ん…は、うさぎ…？』
黒霧「はは、そう来ましたか。」
『？』
黒霧「私はうさぎではありませんよ。黒霧と言います」
そこで気付く。名前を言ってしまったことに。
『くろ、…り、？』
黒霧「黒霧です」
もういいや。なんていつもは思わないそんなことを思ってしまった。
『くろ…！』
黒霧「そうですね、それでよしとします。」
『A！』
黒霧「…あなたの名前ですか？」
その言葉に大きく頷いた。全く、最近の子供は危機感がない。
こうも簡単に自分の名前を人に教えてしまうとは…
なんて思ったけど、そういやさっき私も自分の名前を教えてしまった。
きっとそれも全てこの子のせいだ。
そんなことを私の左手を優しく、小さな手が包むのを目で確認しながら思った。
???
※正体はご存知だと思いますが、遺体が脳無となったという記載だったため、はてなとしております。
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きりん(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます！実はヴィラン側も書いてみたい欲があって…トト曇さんのコメントを見て書く決意がつきました！笑ありがとうございます！初のヴィラン側となりますのでまだ慣れない点があると思いますが、ご了承ください。少々お待ちくださいませ！ (2021年9月15日 22時) (
レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
トト曇(プロフ) - めっちゃ面白いし可愛いです！！もしよろしければなんですけど、、、小さくなったシリーズの番外編とかでヴィラン側のもみたいです！ (2021年9月15日 19時) (レス) id: ba3d336a59 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - ひな吉さん» コメントありがとうございます！私もそこがかなり気に入ってて、そう言って頂けて嬉しい限りです(〃▽〃)前作に引き続きありがとうございます、頑張ります！ (2021年9月12日 23時) (レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
ひな吉(プロフ) - 瀬呂くんの「おじょーさん」の破壊力えぐいです……前作から応援してます！頑張ってください！ (2021年9月12日 13時) (レス) id: b7d02e5091 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - あのさん» コメントありがとうございます！かなり前から幼女バージョン作ってみたい欲が凄くて、ようやく実現出来ました(^^)頑張ります、ありがとうございます！ (2021年9月12日 12時) (レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん | 作成日時：2021年9月11日 2時
