もう一人のクラスメイト【ヒロアカ】 (ページ16)

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出席番号18 ページ16

『あ、緑谷くーん！』

緑谷「な、ななな…何でしょう！」

『何で敬語なの』

と笑った輪月さんに、僕はまた固まった。

『あ、そんなことよりね、緑谷くんにお願いがあって…』

そう言って、やってきたのはグラウンドβ(ベータ)だった。

お願いというのは、個性強化を手伝って欲しいというものだった。

確かに輪月さんは林間合宿はいなかったし、個性自体のポテンシャルをあげる機会がなかった。

サークルという攻撃にも防御にも使える個性を持つ輪月さんの個性強化のためには僕のようなパワー系の相手が欲しかったんだろう。だってそうじゃないと個性強化されないと思うし、ということはこれからやる個性強化は…

『よし！じゃあ緑谷くんはひたすら私に技を仕掛けてきてね』

やっぱりそうか。なんてそんなことを思っている間に、輪月さんから放たれた小さな球体が近づいてきていた。

慌てて避けるが、それは追いかけてくる。

緑谷「っ、…！！」

ぎりぎりで避けながら、輪月さんを見れば笑っていた。

『緑谷くん？私に攻撃仕掛けられてないよ？』

ハッとした。輪月さんはただ自分の個性強化のために僕を付き合わせたりしない。

それが己のためにも、そして僕のためにもなるから僕を選んだんだ。

僕が考えながら攻撃を仕掛けるから。そんな暇を与えないようにするために…。

そのことに気付いて、つい下唇を噛んだ。

こんなことにも気付けなかったなんて。

『緑谷くん、考え事？それは良くないなぁ』

すると耳元で声がしてその場から離れた。

輪月さんの使うサークルは、もしそのサークルが割れてしまったり、ヒビが入ってしまえばおしまいだ。すぐに崩れてしまうだろう。

それを防ぐためにも、サークルに対してかなりの負荷をかけることで個性強化に繋がると考えたんだろう。

元々凄い個性なのに、今以上に凄く、強くなろうとしている。

やっぱり君は、かっちゃんと同じだ。

遥か先を見据えた行動や皆のことをよく理解しているところ。

だから…だからこそ、

緑谷「僕はっ…君を、超えたいんだ！」

緑谷出久