129 ページ30
あなたside
いくら走っても時透くんの気配はなくて、悲鳴嶼さんとずっと走り続けていた。
だが、いきなり地面が開いて悲鳴嶼さんと共に落ちていった。
『きゃあっ!』
落ちた先には鬼に立ち向かう不死川さんが見えた。
「次々と…降って湧く…」
目の前には目が六つもある、悲鳴嶼さんを見てニヤリと微笑んだ鬼がいた。
しかも刀を持っている?
訳が分からないけれど、でも目の前の鬼が強いことは瞬時に理解ができた。
「不死川、腹の傷は今すぐ縫え、その間は私が引き受ける」
「はい、すみません」
「Aは怪我の状態を見てやってくれ」
『…はい』
私は不死川さんの元へいったが、断られた。
「時透の方が重傷だ、そっち行けェ。俺ァ一人でやれる」
不死川さんが顎でクイとした場所には、宙に浮く時透くんと、その近くでバラバラになった体が散らばっていた。
慌てて向かえば、それは玄弥くんだった。
『玄弥くん、…どうすればっ』
玄「あん、た…あそこの刀と向こうに落ちてる髪の毛を持ってきてくれ」
『わ、わかった…』
何をすれば最善か分からなくて、とりあえず玄弥くんに言われた通りに刀の端と、髪の毛を持ってくる。
玄「ありがとな…時透さんを助けてやってくれ」
『うん』
私は時透くんの元へ駆け寄る。
既にどれくらいの時間が経ったんだろう。早く助けないと、失血死してしまう。
それに腕は止血されているけど、左腕が半分ほどないみたいだった。
一人で、戦っていたのか。
『時透くん…』
「そんなしおらしい顔してないで、…早く抜いてくれない?」
『う、うんっ…痛いと思うけど…我慢してね、一瞬で引き抜くから』
「…ん」
ズ..!!
眉間に皺を寄せて、肩で深く息をする時透くん。
ゆっくり引き抜く方が痛いに決まってる。でも、腕を斬り落とされて肩に刀を突き刺された時透くんや体を分断されてる玄弥くん、臓器がとび出そうな不死川さんの痛みを私が分かることが出来ない。
彼らのためにできることは…
174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楓(プロフ) - めっちゃ泣きました(´;ω;`)とっても面白かったです!!推しがぁぁぁぁってなりました笑これからも頑張ってください‼︎ (2021年12月8日 21時) (レス) @page50 id: ef9e4cc349 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 萩さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります。 (2021年8月29日 22時) (レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
萩 - とても面白かったです!これからも頑張ってください! (2021年8月29日 6時) (レス) id: 208e44543f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりん | 作成日時:2021年7月18日 20時