たんぽぽみたいな人【我妻善逸】

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あれから二時間は経った。





私は部活動をしておらず、帰宅部だ。





いつもなら今頃、溜め録りしているドラマを見ているはずなのだが、今はプリントをホッチキスで止めている。





これも全ては、不死川先生に奢ってもらうためだ。






『…』






てか、これ何人分？





一学年分は終わっているはずだ。






『…え、』






プリントに書いてある文字をよく見てみれば、そこには…






『…保護者会…？』






今月末にある保護者会に来てくださいという、保護者に向けてのプリントだった。





よく見なかった私も悪いとは思うが、不死川先生も悪くないか？





そんなことを思った時、扉が開いた。






不「お、よくやってるな」





『…先生、これどういうことですか』






保護者会と書かれた場所を指さして、言えば…






不「どういうことって…保護者会のプリントだぞ、それ」






ごく当たり前のように言った先生に、私の方がおかしいのかと思ってしまった。






『いやいやいや、私は数学の授業で使うプリントなのかと思ってました』





不「それはお前の勘違いだろォ」





『いや、そうかもしれないですけど。普通言いますよね？』





不「あー、それはすまねぇな」






案外すんなりと謝った先生に、私はそれ以上言えなくなった。





これ以上、私が責めると私の方が悪くなりそうだったし。





いや、というより私は何一つ悪くないよね？





不死川先生が言わなかったのが悪いし。





自分のことを正当化しようとした時、





ポンと頭に何かが乗った気がした。

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