たんぽぽみたいな人【我妻善逸】

#49 ページ49

文化祭最終日ももう夜になってしまった。





グラウンドではキャンプファイヤーをしている学生たちが見える。





キャンプファイヤーを囲んで、男女で円になってフォークダンスをしている。





中には、この学園のイケメンな先生たちとフォークダンスをする人もいた。





みんな浮かれている。それは私も含めて。






善「…ほんと、嘘みたい」






善逸くんは顔に手を当てて、チラとこちらを見てきた。





その顔はいつも見る顔じゃなくて、ドキンとした。






『…善逸くんと付き合えるなんて、思わなかった』





善「それは俺のセリフだよ！！」






こちらを見た善逸くんは、優しげな顔をしていた。






『善逸くん。好きだよ』






思ったよりも簡単に出たその言葉。





善逸くんをまっすぐ見ながらそう言えば、目を細めて顔を手で押さえた。






善「…やばいぃぃぃ、幸せすぎて死んじゃうぅ」





善「でもきっと俺の方が好きだから」






その言葉に心臓がうるさくなった。





と同時に勢いよく屋上の扉が開く音がした。






伊「お前らぁ、あの炎のやつ見に行くぞ！」





禰「あ！出ていっちゃった！」





カ「いいところだったはずだけど」





ア「邪魔したよね？ごめん」





炭「ったく、伊之助の奴…」





『もしかして聞いてた…？』






恐る恐る聞けば、みんなは苦笑いした。






善「盗み聞きとかすんじゃねぇええええ！」

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