たんぽぽみたいな人【我妻善逸】

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善「お腹すいたぁぁ」






そんな善逸くんの一言で、帰り道にあったコンビニに立ち寄った。





アイスは食べたし、何を食べようかと思っていたら…






善「あ、これ」






と善逸くんが指さしたのは、不死川先生から貰ったアイスだった。






善「これ美味しそうって思ってたんだよねぇ」






嬉しそうに微笑んで、私を見てきた。






善「Aちゃんは何にする？」





『…じゃあ、私もこれ』






と善逸くんと同じのを選んだ。






善「やっぱりこれ、美味しそうだよね！！ＣＭでもよく見るし！」






食べなくても良かったと思う。アイスを選ばなくても良かったと思う。





だけど、同じことを共有したいと思ってしまったの。





自分でも気持ちが悪いと思う。





善逸くんにはこんなこと言えないなと思っていれば、私の手にはアイスがなかった。






『…？』





善「Aちゃん、公園に行って食べよう！」





『えっ、お会計してない！』





善「あぁ、俺が払ったから気にしないで！」






そう言って、私の手を掴んで走り出した。






善「溶けるから、走ろ！」






後ろから見えた彼の黄色い髪は、たんぽぽのようだった。

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