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すばるくんの低い声が聞こえて、私は恐る恐る顔を上げる。
そこにはもちろん眉間にシワを寄せたすばるくんがいるわけで…。
こ、こわい…！！
｢おま、…ちょこ、…たべ……｣
最後は声が小さすぎて聞こえなかった。だからついついいつもの調子で、
『なんてー？すばるくん、聞こえなかったんだけど〜』
｢…｣
その言い方にきつく睨まれて、少しひるむけど、無視無視。悪いのはすばるくんだもん。
｢…やからぁ！！｣
その声にも私はまたびっくりする。というか、ただ単にビビっただけ。
ソファに座っていた彼はどんどん近づいてくる。眉間にシワを寄せたままで来るから、私は後ろに一歩下がる。
たった一歩下がっただけじゃ、すばるくんが来るスピードには対抗できない。しかも後ろはもう壁。
あぁ、私の人生終わりかも。そう思った時、
｢お前のチョコを食べんのは俺だけでえぇやろ、言うてんの！｣
って目線を外しながらそんなことを言うんだから私は笑ってしまった。それを見てまた不機嫌になるすばるくん。でも顔が少し赤いから、可愛く見えてしまう。
『ふふ、可愛い』
｢可愛ない｣
って言い争いをしてたら、
安｢なぁなぁ、俺にも作ってくれるやんな？｣
って寂しそうな顔して言うから、私はうんうんと頷いた。
すると目の前の赤くなっていた顔が、急に変わった。……それは悪い方向に。
｢はぁ！？お前作るん！？｣
『いやだって、錦戸くんだけじゃなくて安田くんにもお世話になったし…』
｢いやちゃうやん！亮にも、ヤスにも作らんでえぇねん｣
『え？なんでよ、いいじゃん、すばるくんにも作るんだから』
｢ちゃうわ。お前は俺のだけ作ればえぇねん…｣
［いくらお世話になっとるからって、お前がチョコやるのは許さへん。］
(錦｢あのすばるくんが嫉妬なぁ…(笑)｣)
(安｢ふは、どっちもかわええわ｣)
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作者名：きりん | 作成日時：2018年2月21日 19時
