Valentine's Day (ページ6)

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『うーん…作らない、かな』

錦｢えぇっー！！？なんでっ！？｣

『すばるくんさ、甘いもの好きじゃないじゃん？それなのにあげるのもなんかなぁ、って思って…』

安｢そうなん。でもすばるくんは…｣

｢ちょぉ、うっさい｣

安田くんがなにか言おうとしたのに、すばるくんの鋭い声が聞こえた。

錦｢Aちゃん、チョコ一個も作らへんの？｣

『んー？友達にはあげるから作るよ』

錦｢ならさ、ついででえぇから俺にも作ってぇや！｣

ニコニコしながら、あの錦戸亮から言われたら、作らないわけないよね。

『いいよ、でも私のなんかいる？(笑)』

錦｢おん！いっぱいの子から貰いたいし｣

『うわ、タラシ』

錦｢嘘やって！(笑)第一、こんな仕事しててもチョコなんか貰わへんで｣

『え～、嘘だぁ』

嘘やないやんなぁ、章ちゃん。って安田くんに相槌を求める錦戸くん。

アイドルだから、共演者やスタッフさんから沢山もらうものだと思っていたのに、貰えなくて拗ねる(？)錦戸くんはチョコを欲しがる男子高校生にしか見えなかった。

『錦戸くんは甘いの無理だったよね？』

錦｢…おん！｣

『じゃあ、ビターでいいかな』

錦｢おん！｣

嬉しそうな姿は以前、すばるくんが言っていたようにしっぽを降る子犬のようだ。

｢はぁ？ありえん｣

不機嫌な声が聞こえて、そっちを見ると

｢なんで亮に作るん？｣

すばるくんが大きな目でこちらを見つめていた。

『…だって、』

その瞳に私は怖気づいてしまうけど、私はその瞳を見ずに答えた。

『お世話になってる、し』

｢お世話になっとるからって、チョコ貰われても嬉しくないやろ｣

『っ』

チラと錦戸くんを見ると、心配そうな顔で私を見ていた。

きっと自分のせいだって思ってるだろうなぁ、ってすばるくんから睨まれてるのにそんなことを考えてる私って強くない？

｢おい、聞いとんのか｣

ビクッ！！