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先輩の我慢(横山) ページ1

私の学校では今、バレンタインの話で盛り上がってる。

「友チョコちょうだいね!」とか「〇〇くんに本命あげるの?」とか。

私は去年、ひとつ上の横山先輩にバレンタインにチョコをあげた。……もちろん、友チョコとして。

私と横山先輩の繋がりは、一年前の文化祭。私は文化祭のクラス委員に選ばれたんだけど(不本意)、そこで出会ったのが同じくクラス委員だった横山先輩。

先輩たちのクラスと私のクラスは執事喫茶とメイド喫茶をやることが決まっていて、だいたい内容が似ているから準備はほぼほぼ一緒だった。

初めのうちはあまり話さなかったんだけど、一緒に準備をしていくうちに、話すようになって今では呼び捨てで呼んでくれるまでになった。

そこから仲良くなった……というより、仲良くさせてもらっている。

横山先輩にとって、私は妹的な立場だと思う。そんな人から本命のチョコなんてもらっても嬉しくないだろうし…。また友チョコとしてプレゼントしようかなぁ、なんて考えていた時。

「あれ?A?」

『あっ…横山先輩…』

「なんか久しぶりやな」

『ですね!』

周りの反応を見て分かる。横山先輩は、真っ白で美白っていうだけじゃなくて、とてもイケメンなのだ。先輩の同級生で綺麗な女の先輩や、可愛い女の子からたくさんチョコを貰うはずだ。

そんな人に、本命チョコなんてあげれるわけない。

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作者名:きりん | 作成日時:2018年2月21日 19時

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