一般人が柱に守られる！？ spin-off

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あなたside




『伊黒様、ありがとうございました！』



蛇「…いや、俺こそ助かった」



片手に可愛らしい袋を持っている伊黒様はいつもと違って優しく見える気がする。



蛇「…そういやあの男、気をつけろ」



『え？奏多ですか？』



蛇「名前は知らんが、浅草で会った…お前に執拗に絡んでいた男だ」



『ですから…彼は弟のような存在だったので、大丈夫ですよ』



蛇「黙って従っておけ」



とても高圧的な伊黒様に萎縮してしまう。



でも彼は元々家族のような存在であったし、気をつけろと言われても…



『分かりました。気をつけてみます』



そうは言ったものの、正直どう気をつければいいか分からなかった。



蛇「A」



名前を呼ばれて、彼を見れば左右異なる瞳が月の光に反射してキラリと光って見えた。



それを見惚れていると、腕が伸びてきた。



ﾊﾞﾁﾝｯ!



『痛いっ！』



デコピンされた。しかもかなり強い。



蛇「馬鹿め。本当にお前には危機感がない。もっと周りを見ておけ」



『痛いですっ！』



蛇「それは避けきれる。それが出来ないのはお前に危機感がないからだ」



『いや、柱の方のっ…』



蛇「つべこべ言わず認めろ。お前には危機感がないということを」



私はもう何も言えず、ただ頷くしか無かった。

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