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あなたside
目を覚ませば、そこに広がるのは天井だった。
辺りを物色すれば、何となくだがここが蝶屋敷だと気づいた。
足は相変わらず痛いし、そう思った時、あの日のことを思い出した。
『…煉獄さん、』
彼は、どうなったのだろうか。随分と大きな怪我をしているようだった。
「A、久しいな!」
隣を見れば、そこには見覚えのある顔があった。
『煉獄さん!!!』
片目には眼帯がしてあるが、その他は特に何も変わりはなさそうだった。
「Aのおかげで、助かった!ありがたい!」
『そんな、私は何もっ』
「…本来なら曇りだったはずだ。それを晴れにしてくれたのは、Aだろう」
まさか見破られているなんて思っていなかった。
そう、実はあの時、この時期いつもなら太陽が出ているはずの時間帯に太陽が出てこないと思って空を見上げれば、いつの間にか厚い雲が広がっていたため、私は願ったのだ。
「君のおかげで、俺は生き続けることが出来た!感謝する!」
前と変わらずニコニコと笑う煉獄さんに、私も頬が緩んだ。
ちなみに今でも傷が残っているのは左目だけで、肋骨の骨折と内臓破裂はもう治ったらしい。
あの人の治癒能力が半端じゃないことは理解出来た。
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作者名:きりん | 作成日時:2021年4月5日 3時