十人目の柱となった巫女。 (ページ5)

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あなたside

それから私が呼ばれた時にはその男の子はいなかった。あの子は柱ではないのだろうか。

「みんなに紹介したい子がいるんだ」

お館様のそんな言葉と共に現れた私を見る彼らは物珍しそうに見る人や睨みつける人、興味無さそうな人と、個性豊かな人達だった。

『天気(あまき)Aと申します、巫女をやっております』

「巫女さんなのですね」

「！！(巫女さんなんて初めて見たけれど物凄く可愛いらしいわぁ。きゅんきゅんしちゃう！)」

私の言葉に反応したのは、女の子二人だった。

「Aには、力がある。その力で人々の願いを叶え、守ってきた…君たちと同じように」

お館様はそのまま続けた。

「だからね、Aを柱にしたいと考えている」

…

時が止まった気がした。ブンッと勢いよく首を振ってお館様を見れば、満足そうに微笑んでいた。

え？お館様、何言ってるの？

もちろんそんな言葉は言えずに、ただ固まってしまった。

「しかしその女は見た感じ鬼殺隊ではないように感じる！それに弱そうだ！お館様の願いであっても容認し兼ねる！」

「俺も煉獄の意見に派手に賛成だ」

「そんな弱そうな女…すぐに鬼に喰われてしまう、柱には見合わない。絶対に」

「刀すら持っていない。そんな状態でテメェはどうやって闘うんだ」

そりゃそうだ。だって私は鬼殺隊でもないし、訓練とやらもしていない。何なら刀なんて持ったことない。

柱の方にそう思われているということはそういうことだ。鬼と出会ったことがない私が柱になんてなれる訳ない。