37 ページ38
あなたside
皆、眠ってしまったようで話す人もいなかったので、私は外の風を感じるために外に出た。
強い風が吹いていた。
何故、お館様はこの任務に私を同行させたのだろうか。
先程、鬼と出会って思ったが、私は鬼と戦えるような剣術もなければ、そんな度胸もないことが身をもって理解出来た。
お館様もそんなことは分かっていらっしゃるはずなのに。そんなことを思いながら、座席に戻れば、見覚えのない子供たちが煉獄さんたちの傍にいた。
…知り合い?
そう思ったけれど、炭治郎くんは涙を流して、善逸くんはニヤニヤしていて、伊之助くんは鼻息が荒かった。そして何より、煉獄さんが女の子の首を片手で掴んでいた。
慌ててそれを止めようとしたけれど、よく見れば煉獄さんと女の子の腕には縄のようなものがあった。そして炭治郎くんたちも別の子と繋がれているようだった。
どこか怪しげなこの縄を解こうかとすれば、私の座っていた席の隣にあった炭治郎くんの箱から小さな音が聞こえた。
『…?』
恐る恐るそれを開けてみれば、中から出てきたのは可愛らしい竹をくわえた女の子だった。
…あ、この子が。
『禰豆子ちゃんかな?』
そう言えば、その子は笑顔で頷いた。
175人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりん | 作成日時:2021年4月5日 3時