一般人が柱に守られる！？ 漆

彼女の実力 ページ45

竈門炭治郎side




首元に当てられたAさんの木刀を肌で感じて、Aさんが前より強くなったことを身に染みて感じた。



『…今日は私の勝ちだねっ』



ニコリと笑うAさんに俺も笑いかけたけど、ふとAさんの顔から目を離して自分の木刀を見ようとした時、目に入ったもの。



俺は驚きで目を、というより顔を逸らしてしまった。



その行動を疑問に思ったAさんは伊之助たちがいる縁側を向こうとする。



炭「Aさんっ、ダメです！」



『え？』



炭「き、着物がはだけかけていますっ…」



『え？…！！！っご、ごめんっ』



そう言えば、自身の着物を確認したAさん。途端に焦り始めた。



Aさんに隙が出来たと思ったあの瞬間、おそらく自身の着物の裾を踏んだようでそのせいで体勢が崩れたのだろう。



でもあの隙がなければきっと五分五分であった。確かにAさんはまだ一ヶ月ほどしか木刀に触れていない。それなのにこの実力はもしかしたら…、なんて思ってしまった。

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