一般人が柱に守られる！？ 陸

血鬼術 ページ18

あなたside




蟲「Aさん、何か変わったことはありますか？」



『…いえ、特にありません。でも不死川様も天元様もどこかおかしいです』



そう伝えるとしのぶ様もそうですね、と頷いてくれた。



『怪我のせいで、あのようになったのですか？』



蟲「それは考えにくいですけど…。でもこれはおそらくAさんと関わりがあると考えるのが妥当だと思います。彼らはAさんの名を何度も呼び、抱き寄せ無事でよかったと言った。このことで貴方と関連があると考えるのが普通ですね」



すらすらと紙に書いていくしのぶ様。



『私が、関係している？』



彼らになにかしてしまったのかと不安になったが、彼女はそれはないと断言してくれた。



蟲「関連があることは間違いないと思いますが、きっとこれは血鬼術によるものではないかと考えています」



『血鬼術？』



蟲「はい。鬼は人間を食べて力をつけていくと、能力を持つようになります。例えば糸を操ったり、強い武器のようなものを持つ鬼もいますね」



蟲「これは憶測ですが、おそらくお二人はAさんを失うような血鬼術にかけられたのではないかと思いますね」



私を、失う…？



しのぶ様の言葉に納得してしまいそうになる。彼らのあの瞳や言葉を思い出せば、少し苦しくなる。



天元様は傷はそこまでだったが、不死川様はかなりの重症だった。もししのぶ様が言う通りならば、私のせいで彼らが傷を負ったも同然。



蟲「これはまだ憶測ですので、そんなに思い詰めないでくださいね。」



ふわりと撫でてくれたしのぶ様の優しい手に、私はより一層泣きそうになったのは秘密だ。



こんなに優しい人たちを、私のせいで死なせたくない。

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