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「……あーもう無理、くっそイライラする………」
今俺の横にいる人物は、永遠にそんな事ばかりを呟いている。
なぜなら、目の前に好きな人とあの男が2人で帰っている光景が広がっているからだ。
持っている通学バックをぶん投げそうなくらい、履いてる靴を脱いで、そのままあの男に投げつけてしまいそうなくらい、イライラしている。
「…あﾞーーーー、……なんっで……、早めに言っときゃ良かった……、」
『何て？』
「俺と帰ろって」
『……ああ、そういう事』
そんなのさせるわけないだろ？
もし言えそうなタイミングが来ても、絶対に阻止してやる。
一度勝手に帰られたんだから、もう許せない。
『無断で帰るのは許さないからね』
「わかったって。
………はぁ、……マジで俺このままじゃおかしくなる…、」
と髪の毛をくしゃくしゃとかく壮大。
そんな壮大を横目に、軽めに溜息をつく。
今は俺と帰ってることに集中して欲しいのに。
『ねえ壮大、今は俺と帰ってんだからさ、俺に集中してよ』
「…はぁ？目の前にA居るんだから無理に決まってんだろ」
『……、』
完全に頭がAの事でいっぱいになってる。
俺の事なんて考える隙もないだろう。
今の壮大には何を言っても無駄な気がするし、寧ろ言う方が悪い結果に繋がる気がする。
ここは大人しく壮大を見守るのが一番だろう。
暫く無言の空間が続いた時、壮大が呟いた。
「…………やっと一人になってくれた」
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
