㉖ ページ34
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「…あ、着いちゃった」
舜斗のそんな声に周りを見渡すと、すっかり舜斗と私の通学路の分かれ道に来ていた。
もう終わりか。
『早かったね、意外と』
「ね。また今度も一緒帰ろーよ。明日でもいいけどさ」
『あ、うん、帰ろ帰ろ』
明日も帰っていいの！？
とはしゃぎまくって喜びたいところだが、ここでそんな姿を見せてしまったら、好きバレしまくりだ。
だからあえて抑え気味で返答した。
「勉強の件忘れんなよー？」
『舜斗もドーナツの件忘れないでね』
「あー忘れるかもー」
『マジで覚えてて！！』
あははっと笑う舜斗につられて笑う。
こんな幸せな下校、久々だ。
舜斗より1年早く卒業してしまう事が悔しいくらいに、幸せだった。
「じゃ、また明日」
『うん、明日』
とお互いに手を振り合い、別れた。
『……楽しかったなぁ…』
そのまま少し歩いて、何かちょっと寂しくなったから、舜斗を見ようと後ろを振り向いた。
『……！……』
すると、まるでこうする事を予定していたみたいに、丁度舜斗もこちらに振り向いてくれた。
そして軽く笑い、次は大きく手を振った。
振る手は私より小さかったものの、舜斗も手を振り返してくれた。
その時の舜斗の笑顔が、何よりも輝いて見えたのは、私だけだろうか。
『昔から変わんないなぁ…』
私は家のある方に体を向け、足を前に出した。
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ーー
すみません、最近リアルが忙しくて更新できてませんでした…。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
