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樹音と別れ、家に帰って夜ご飯を食べ終えた後、一人部屋でゴロゴロしてた所に、Aからメッセージが届いた。
“「今日なんか怒らせちゃったっぽくてごめんね。気に触るようなこと言っちゃってたかも」”
これって……
『休み時間のやつだよな？これ』
A、まだこの事考えてたんだ。
俺もこの時はAと帰れなくなるって思って焦って直ぐ行動に出しちゃったけど、Aから帰れるって聞いてホットしたからもう気には止めてなかったな。
『…A俺の事考えてくれてたんだ』
そう思った瞬間、俺に謎の高揚感があふれてきた。
あーほんっとに可愛い。
このままずっと俺の事で悩んでてくれないかな。
俺の事だけ考えて、俺しか見ないで、俺だけのAにしたい。
いや、いつか絶対そうする。
そう言えば、あの時手首握ってたっけ。
Aの手首細かったな。あのまま折れそうだったの覚えてる。
『…あ、痕とか着いてないのかな』
そう思ってたら、もう送信してた。
“『あ、あの時手首強く握っちゃってたよな？痕とか着いてない？』”
すると返信は少し間を開けて返ってきて。
“「今見たけど、ちょっとだけ赤くなってた笑笑」”
『……ははっ、マジか』
笑みが止まらない。
Aの手首に俺が着けた痕があるって事だ。
直ぐに治るとしても、今日は着いてるだろう。
この支配感、優越感、特別感……止まらない。
『…最っ高の気分……』
どう返信しようか迷ったが、一番は嫌われたくない為、とりあえず謝ることにした。
普通にあの時痛そうだったし。
まあその表情も最高だったんだけど。
その後少しだけやり取りして、最後はA愛用の可愛いうさぎの笑ってるスタンプで〆た。
『…ははっ、マジで………っはは、…あーーマジやべーーー…痕着いてるって想像するだけで……うーわガチか…
痕着いてるとこ見とけばよかったな…』
ベッドの上で一人、ニヤつきながら暴れる。
こんな変な光景、誰にも見られたくない。
勿論Aにも。
さっきの樹音との会話も全て忘れるレベルで嬉しい出来事だし、忘れたくない出来事が今さっき起こってしまった。
これは忘れない為に記録しなきゃ。
俺は一番上の引き出しからノートを取りだした。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
