110話 冷静 ページ20
翔side
自分でもビックリするくらい勢いよく舞台から落ちた。
でも人間って冷静なもので、こういう時、周りの誰よりも落ち着いていた。
確かに体中が痛くて動けない。
皆の叫び声もちゃんと聞こえる。
でも返事ができなかった。
俺のせいでリハーサルが中断される。
俺のせいで時間が遅れる。
そんなことばかり考えていた。
雅紀「翔ちゃん！大丈夫！？」
潤「とりあえず担架！」
智「頭打ってるかも…！相葉ちゃん、あんまり揺らしちゃダメだよ！」
笑って大丈夫って言いたいけど、やっぱり痛くて。
顔をしかめる。
和也「翔さん…！」
どこが痛いのかもわからない。
落ち着いているように見えて、やっぱり落ち着いていないのかな。
その時、ようやく声が出た。
翔「い…って」
その言葉にみんなが反応する。
雅紀「翔ちゃん！？
大丈夫！？痛いとこない！？」
翔「んー…とね
指と…頭と…腰…？」
スタッフ「櫻井さん、ここどこだかわかりますか？」
翔「…ナゴヤドーム。」
スタッフ「なんでここにいるかわかりますか？」
翔「ツアーのリハーサルで…」
スタッフさんの質問に答えていく。
頭も打ったかもしれないけど、特に異常はなさそうだって、自分でわかった。
和也「…よ、よかった」
潤「まじでビビった…」
二人が安堵のため息をした。
智「…とりあえず病院行こう？
処置しなきゃね。」
雅紀「翔ちゃん死んじゃったかと思ったー！！」
翔「勝手に殺すなよ(笑)」
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作者名：haru | 作成日時：2018年11月13日 17時
