20年の軌跡４～涙～ (ページ17)

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107話個展ページ17

翔side

2008年。

ようやく彼の夢が叶った。

俺たちメンバーは飛び跳ねて喜んだ。

だって

だって

だって！！

「「「「大野智、個展開催おめでとーーーーー！！！！」」」」

俺たち4人は声を合わせて言った。

智「んふふ。ありがとう！」

智くんはいつものようにのほほーんと笑う。

そう。

彼はあの日初めて口にした”個展を開く”という夢を叶えた。

普段から自分のことを語ることが少ない智くんが、俺たちに大切な夢を話してくれた。

それだけでも嬉しかったのに、本当に叶えてしまうなんて…

翔「…初めは辞めたいなんて言ってた智くんが、こんなに立派になって…。

お母さんは嬉しいよ！」

潤「お母さんってなんだよ(笑)」

智「でも皆のおかげだよ～

皆がたくさん働いてくれたから俺も作品作りに没頭できたし、

正直趣味の範囲内で終わると思ってたから(笑)」

智くんは少し頬を赤らめて笑う。

いつもは表情なんて読めないのに、今の智くんは驚くほど素直な表情をしていた。

メンバーの喜びが自分の喜び。

そう思えることが何よりも幸せだった。

そしてこの年は

リーダー、大野智の年と言ってもいいくらい、彼は輝いていた。