440話 親友 ページ20
翔side
家でピアノの練習をしていると、珍しい人から電話がかかってきた。
『あ、もしもし櫻井？
今何してんのー？』
この能天気な話し方。
ずっと俺の親友でいてくれる妻夫木聡だった。
翔「普通にコンサートの確認だよ(笑)
ぶっきーこそ何してんの？」
電話の奥でなんやらもう1人の声が聞こえた。
恐らく1人しかいない。
翔「何？隆ちゃんもいんの？(笑)」
妻夫木『あったりー！
今から飲みに行かない？』
俺の大親友の妻夫木聡と佐藤隆太。
だいたい俺が遊びに行く人達と言ったらこの2人だ。
翔「行かない？って言うかもう飲んでるやろ(笑)」
妻夫木『バレたかっ！
新宿のいつもの店で待ってるから、時間あったらおいでよ。』
翔「おー。
サンキュー。」
そう言って電話を切った。
ちょっと気分転換もかねて行くか。
2人とも最近会えてなかったし。
俺は重たい腰をゆっくりあげた。
店に着くと、2人は既に出来上がっていた。
妻夫木「お！櫻井お疲れー！」
佐藤「お疲れお疲れー！
ビール飲む？」
個室だし、多少の声を出してもそうそう響かないこの店は俺たちの行きつけだった。
嵐のメンバーも連れてきたことあるくらい。
櫻井「おー。
2人とも何時から飲んでんの(笑)」
久々に会った親友たち。
メンバーとはまた違った温かい存在。
この時間は仕事のこと忘れて楽しんでいられる。
妻夫木「最近どーよ。
嵐のほうは。」
ドキ…
ただ単に、今の嵐の仕事がどうか聞かれただけ。
これじゃあ相葉くんのこと言ってられないな。
翔「変わらず…かな。
メンバーとも仲良くやってるよ。」
佐藤「でもすごいよなぁ。
今年20年目？に入るんだろ？
変わらず続けているだけでもすごいよ。
俺絶対無理だもん(笑)」
妻夫木「俺も俺も！
俺たちは個人向きだもんな！」
翔「個人向きってなんだよ(笑)」
メンバー以外に自分のことわかってくれている存在。
明るくて、元気が出る。
佐藤「櫻井？
とにかく体だけは大事にしなよ。ずっと最前線を走ってるんだから。
今日はそのために呼んだの。」
ふと、真面目な顔して隆ちゃんは言うもんだから目を大きく見開いていた。
妻夫木「そうそう。
もう40手前なんだからな。」
そんな優しい2人に俺はそっと微笑んだ。
翔「…わかってるよ。
ありがとね。」
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作者名：haru | 作成日時：2022年8月11日 22時
