421話 決断 ページ1
和也side
5人で話す機会ができたのは5×20のMV撮影から、約１ヶ月後。
俺たちには似合わない、晴天の日だった。
リーダーの家で、話をすることにした。
俺は1番に到着した。
智「お疲れ。
今日仕事？」
和也「いや、今日は休み。」
短い会話を終え、俺は一人、リーダーの家にあがった。
智「ニノも、大変な時にごめんね。」
和也「…俺のことは俺がちゃんと決める。
リーダーは自分のことだけ考えて。」
そしてメンバーが次々にやってきた。
5人が揃った時、リーダーは口を開いた。
智「…悩んだ。
みんなの気持ちも含めて、たくさん。」
リーダーはもう、怯えた表情は見せない。
ただ真っ直ぐ俺たちを見て、一生懸命話してくれた。
俺はゴクリと息を飲んだ。
リーダーは全員の顔をゆっくり見回す。
そして…
．
．
智「…活動休止。
…でもいいかな？」
時が止まった気がした。
周りの音が聞こえなくなったような気がした。
リーダーの顔は、少しだけ穏やかな気がした。
智「…中途半端な気がして、最初は嫌だったけど
みんなや、ファンの人たち、俺たちを支えてくれてる人が許してくれるのであれば…
俺はそうしたい。」
控えめに、そして俺たちの反応を伺うかのように話すリーダー。
俺はようやく一言絞り出した。
和也「…ありがとう、リーダー。」
その言葉に、リーダーは大きな目を開ける。
俺の言葉に続くように、今度は翔さんが言った。
翔「…ありがとう、智くん。
ギリギリまで考えてくれて。」
相葉さんも潤くんも。
雅紀「…俺も、その決断をしてくれて嬉しい。ありがと、リーダー！」
潤「これで俺たちの気持ちは全員一致だな。
ありがとな、リーダー。」
リーダーは頬を赤く染めて、優しく微笑んだ。
” 嵐 ”
たった一文字。
その文字の裏には
” 5 ”
という数字がある。
翔さんが込めたあの言葉。
” 5 is my treasure number ”
最初は『Our』だったよね。
でも彼は『my』に変えた。
翔さん。
これは案外正解なのかもしれない。
だって俺たちはみんなそれぞれ、『5』という数字に拘ってるから。
みんな、自分にとって『大切な数字』なんだよ。
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作者名：haru | 作成日時：2022年8月11日 22時
