シリウス ページ23
翔side
みんなで騒いで笑って飲んで食べて、いつの間にか日付が変わっていた。
俺以外のメンバーは寝てしまい、一人シャワーを浴びることに。
「…翔ちゃん」
お風呂場に行こうとすると、誰かが俺を呼び止めた。
翔「なんだ智くん起きてたのか。」
振り返ると、智くんは体を起こしていた。
智「なんか幸せすぎて酔いなんて覚めちゃった。」
そう言って彼は笑った。
俺もそんな彼の言葉に微笑み、再び智くんの隣に腰を下ろした。
翔「逆にこんな幸せでいいのかなって感じだよな(笑)」
智「いいんだよ。
みんな、今までたくさん苦しんだんだから。」
ずっと苦しかった。
でも俺の悩みなんてちっぽけなくらい、みんな苦しんだ。
自分のことだけじゃなくて、仲間のことでも悲しかったし、怒ったし、辛かった。
でもこうして、仲間の嬉しい出来事には全員で喜んで幸せを感じられる。
何よりも素敵なことだ。
翔「あ、見てみろよ。
外。」
ふと、外を見てみると…
智「あ、星だー！」
1つだけ、光っている星が見えた。
翔「あの星、1番明るいな。
なんて名前の星なんだろ。」
星はよく見てたけど、星の名前なんてよく知らない。
その時、智くんが呟いた。
智「…シリウス。
シリウスっていうんだよ。」
翔「…シリウス…か。」
東京の空。
街が明るいからか、星なんてほとんど見えない。
でもその中で、1番輝いている星。
智「あの星があるだけで空が明るくなるね。」
智くんは少し嬉しそうに言った。
翔「そうだな。
雅紀みたいだな(笑)」
智「あはは！
確かにそうだね〜
みんなに見せてあげたいけど、起こすのも可哀想だなぁ(笑)
これは翔ちゃんと俺の秘密だね！」
翔「なんかいやらしい言い方だな(笑)」
俺たちは2人で笑い合った。
潤「なに2人でいやらしい話してんだよ。」
雅紀「夜も深いからって！」
和也「2人ともダメじゃん。
2人きりの時間、そっとしといてあげないと。」
その時、眠っていたと思っていた3人が俺と智くんの元へ歩み寄ってきた。
翔「なんだよ。
起きてたのかよ(笑)」
雅紀「そりゃ『星』っていう単語には敏感だよ〜俺たち！」
雅紀はそう言って空を見上げた。
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作者名：haru | 作成日時：2021年8月15日 23時
