五十五 ページ2
潤side
智の話を他人事のように聞いていた。
智が失踪したのは、俺からやられた傷を隠す為
相葉雅紀が容疑者に浮上したのは、俺を彼について調べさせる為
そんな彼を逃亡させるように仕向けたのは櫻井翔。
そして俺の味方につき、こうなるように全てを操っていた和。
俺が二重人格者だったことも…
全部知らなかった。
頭の中が真っ白だった。
潤「…別にいいよ。
責められるのは俺の方だよ。
悪かった…
智も…和も…
酷い目に合わせて。」
俺はゆっくり顔を上げた。
大好きな人がそこに立っている。
ずっと前からの、俺の1番の親友…
智「…二重人格はきっと治せる。
だから一緒に…」
その言葉を遮り、俺は言った。
潤「…俺は智を裏切った。」
大切な人を苦しめていたのに…
俺は更に裏切ってしまった。
和也「…潤…くん？」
和の声が遠く感じた。
彼は多分、知っていたんだろう。
遠い記憶のように、最初に和を殴った時の記憶が蘇ってきた。
俺はあの時、話したのかもしれない。
潤「…俺は知ってたよ。
親父が起こしたのは事故じゃないってこと。」
智「…え？」
智は大きな目を開けて俺を見つめた。
俺はフッと笑った。
潤「…もう
疲れたよ…」
嘘をつき続けるのも
自分を偽るのも
大親友を傷つけるのも
真実を隠すのも。
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月20日 17時
