笑顔の裏に ページ31
智side
智「2人とも休みかなぁ…」
相葉ちゃんとニノがいないと、翔ちゃんと一緒にいるのが不思議でしょうがない。
ヤンキーと一緒…(笑)
翔「智くんはあいつらと高校入ってからの友達？」
翔ちゃんにそう言われ、「う、うん」と返す。
翔「…昨日のアレ、明らかにいじめだよな。
何か聞いてる？」
翔ちゃんの言葉に驚いた。
…あんまり、他人に興味がなさそうな感じだったから。
翔「…？なに？」
智「ん。なんでもないよ〜
俺は何も聞いてないよ。
驚いた。」
あんなことがあったばかりだったから、相葉ちゃんは来られないのかなって思ってた。
彼がいない教室は、太陽がない空のように感じた。
あの笑顔の裏に、色々なものを抱えていたんだと思う…。
翔「…あ、来た。」
智「え？」
翔ちゃんの目線の先に、二人がいた。
少し不安そうな表情の相葉ちゃんと、いつも通り冷静なニノ。
雅紀「あ、おはよう2人とも！
昨日はごめんね…！」
俺たちを見つけると、いつものように笑った相葉ちゃんの姿があった。
翔「おはよう」
智「…おはよ。
大丈夫？」
ニノは頬に絆創膏を貼って、俺たちを見つめていた。
雅紀「…うん。
俺、弱いからさ！
すぐ絡まれちゃってさ！」
わざと明るくしているのは、きっと翔ちゃんもわかっていただろう。
翔「…お前はこのままでいいの？」
雅紀「…え」
翔ちゃんは相葉ちゃんを見つめた。
ゆっくり椅子から立ち上がって、相葉ちゃんに歩み寄る。
翔「…俺、元ヤンだから
ああいうの大っ嫌いなんだよ。
武器使うのも、大人数で1人をいじめるのも。
多分だけど、あいつも。」
翔ちゃんは親指で後ろの席を指さした。
潤「…んだよ。
俺に振るなよ。」
机に肘をついて、ぼーっとしていた松本くんが俺たちを睨んだ。
翔「俺一人で十分だけど、
もう1人くらいいた方がお前も安心するんじゃねぇの？」
俺には翔ちゃんが何を言っているのかわからなかった。
多分それは、松本くんも相葉ちゃんもニノも。
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月12日 20時
