教室の中で ページ27
智side
ニノの怪我の手当も終わって、松本くんの疑いも晴れ、俺たちは教室に戻った。
もう下校時間も過ぎ、教室には誰もいなくて。
暫く5人とも無言の時間が続いた。
雅紀「あの…」
和也「ありがとうございました。」
相葉ちゃんが言葉を発しそうになった途端、ニノがそう呟いた。
俺たちはニノに視線を向けた。
和也「…俺一人じゃダメだったから助かった。」
智「…怪我、大丈夫？」
未だに頬が赤いニノにそう問いかける。
和也「大丈夫。
こんなのは全然。」
雅紀「ニノ…」
ニノは表情を変えなかったけど、
相葉ちゃんは泣きそうな顔をしていた。
翔「…んまぁ、聞かない方がいいならそうするけど。」
潤「俺は帰る。」
翔くんがそう言ったのに対し、松本くんはかばんを持って、教室を出ようとする。
雅紀「あ、松本くん…！
ありがとね！助けてくれて！」
相葉ちゃんの言葉に松本くんは振り返らず、こう言った。
潤「あんなん、自分で何とかしろよ。
俺、弱い奴嫌いなんだよ。」
雅紀「…う、うん。
ごめん…」
そこには、いつもの明るい相葉ちゃんはいなかった。
俯いて、小さく頷いただけだった。
和也「…んな言い方ないでしょ。
何も知らないくせに。」
潤「あ？」
ニノの言葉に松本くんは振り返った。
雅紀「ニノ…いいから…」
相葉ちゃんが止める間もなく、ニノは松本くんに近づいていく。
和也「…みんながみんな、あんたみたいに強くない。」
…そう言ったんだ。
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月12日 20時
