助け ページ25
和也side
口の中が血の味がした。
相葉さんのこと、俺一人じゃどうしようもできない。
喧嘩は弱いし、力もないし
いつだって相葉さんを助けることなんてできていない。
俺一人じゃ…
そう思った瞬間、
カンッ
鈍い音がして、目の前にいた山田が突然倒れた。
和也「…は？」
一瞬の出来事すぎて、俺は何が起きたのか全くわからなかった。
地面に落ちたのは…
和也「…缶？」
鈍い音がしたから多分、中身入りの缶コーヒーだろう。
俺は飛んできた方向を見る。
そこには…
「あー見ててイライラしてくる。
とりあえずハサミ置けよ。」
黒髪に金メッシュ。
制服を着崩している松本潤がいた…。
意外な人物すぎて、俺は真ん丸と目を開けた。
和也「…いや、ぶっ倒れてるよ。
あんたのおかげで。」
潤「あ、当たったの？
やりー」
松本潤はクールに笑って、他の奴らに目を向けた。
潤「…んで？
俺、元野球部だからコントロールいいけど。」
彼は楽しそうに奴らに近づいていく。
山田の連れたちは少し怯える表情を見せる。
その時、こっちも珍しい人物がやってきた。
「お前こそ、退学になるからその辺にしとけよ。
もう喧嘩はやめたんだろ？
ほら、先生もお出ましですよ。」
和也「…翔さん。」
松本潤の肩に手を置いて、親指で後ろを指さした。
「こぉぉぉらぁぁぁ！！
そこで何やってんだぁぁぁ！！」
形相を変えてやってきたのは生活指導の先生だった。
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月12日 20時
