いじめ ページ24
雅紀side
痛みはない。
俺はゆっくりと目を開けた。
雅紀「え…」
目の前にはニノがいた…。
山田「…なんだ、お前も一緒かよ。」
山田の手にあったハサミは、ニノの左腕を掠っていた。
幸い、服が切れただけなようだった。
雅紀「に…ニノっ！」
和也「…あんたら、まだこんなことやってんの？」
ニノはいつもの何倍も低い声で山田を睨みつけた。
山田「あー怖い怖い。
ちょっと遊んでやっただけだろ？」
山田は笑いながら「な？」と他の奴らにそう言う。
「山田の友達なら仲良くしようと思っただけだよ。」
「そうそう。
だって俺たちも友達になりたかったんだよ。彼と。」
そう言ってニヤニヤ笑う奴らに怒りよりも悲しみが芽生えた。
こういう奴らがいる限り…
俺はいじめられる…
せっかくの高校生活が…
和也「…もうやめて。
相葉さんをいじめるのはやめて。」
ニノは庇うように俺の前に立つ。
無力だった。
俺はいつも…ニノに守ってもらって…
山田「…お前も仲良くするか？」
さっきまで笑っていた山田の表情が突然豹変した。
…と思った瞬間
バンッ！！
和也「っ…！」
いきなりニノを殴った。
ニノは吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。
雅紀「ニノっ…！！」
山田「俺は高校生活楽しみたいんだよ。
俺の楽しみ奪うなよ。」
山田は今度は俺に近づいてきて、俺の髪の毛を引っ張った。
山田「遊ばせろよ。」
今度はハサミを俺の額にくっつけた。
和也「やめ…」
俺は今度こそ覚悟した。
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月12日 20時
