三十八 ページ8
潤side
和也「…大丈夫なんですか？
彼、何か隠してるかもよ。」
相葉さんとの会話を聞いていた和がそう言った。
潤「…彼は悪いヤツじゃない。
でも、彼とはまた会うことになると思う。」
和也「…どういうこと？」
和は顔をしかめた。
潤「…俺、大切なことを忘れてるんだよ。
お前言ったよな？
智と最後に会っていたのは俺だって。」
和也「…あんたが失踪当日に会っていたのは確実。」
俺は和の言葉を遮るようにこう言った。
潤「…見てたんだろ？
俺と智が会っていたところを。」
和は言葉に詰まった。
俺は続けた。
潤「…俺はその時の記憶が全くないんだ。
何故かはわからない。
でも、俺が何かを知っているのは事実なんだ…」
なんにも思い出せない。
智は俺のせいでいなくなったのか…
和也「…あなたの腕時計、その場所で俺が拾った。
…そうだよ。
あんたたちが話しているのを見た。」
潤「…なんて言ってた？
俺と智は、何を話してたんだ…」
和は黙ったまま。
でも俺は続けた。
潤「…俺は真実を知りたい。
それと、智に会いたい…」
自分が智に何をしたのか
何が原因で、智は俺の前から姿を消したのか
それに、相葉雅紀は何故、容疑者に仕立てあげられたのか
櫻井翔や和も、この事件に関わっている…
潤「頼む和っ…
話してくれ…お前が知っていること全部…」
俺は和に頭を下げた。
涙が溢れ出てきた。
自分がわからない
無力だった…
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作者名：haru | 作成日時：2020年7月3日 22時
