暁～last hope～ (ページ8)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:37,955 hit

七ページ8

翔side

雅紀「翔ちゃん！！！」

雅紀の俺を呼ぶ声に、俺はようやく足を止めた。

翔「…あ、ごめん。」

雅紀「どうしたの！？突然タクシー降りたりして…」

雅紀は心配そうに俺を見た。

そりゃそうだ。

自分でも驚いているから。

俺は雅紀の前に立ち、深呼吸をした。

翔「…いいか、雅紀。

落ち着いて聞け…。」

雅紀はキョトンとした表情で俺を見る。

翔「失踪事件の犯人の容疑で…

お前が追われている。」

雅紀「…え？」

雅紀はさっきよりももっとキョトンとした表情に。

翔「…お前、ハサミを警察に渡したか？」

雅紀「う、うん。

大野さんと同じものを買ったからもしかして何かわかるかなって…」

雅紀は動揺を隠せない様子で。

翔「…そのハサミから

大野さんの指紋が検出されたって…。」

雅紀「…な、なんでっ」

翔「とにかく逃げるぞ…」

雅紀「でも！俺はそんなの知らない…！

だったら警察にちゃんと話したほうが…」

翔「今の状況で絶対警察はお前の話なんね信じてくれないよ。

それに…

智の親友も刑事としているんだろ…？

なら余計だ。」

俺は雅紀に諭すようにそう言った。

次第に彼は落ち着いてきて

雅紀「…俺、逃げる。」

俺は微笑んだ。