暁～last hope～ (ページ7)

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雅紀side

雅紀「あ、翔ちゃんお疲れ様！」

大学の前で待ち合わせをしていた翔ちゃんに声をかける。

翔「おーお疲れ。

今日どこ飲みに行く？」

翔ちゃんは大学教授。

俺は翔ちゃんとは小学校時代の友人で、年は1個違いだけど、家が近いとの理由でいつも一緒に帰っていた。

雅紀「俺焼肉食べたいんだよね！」

翔「焼肉かぁ。

俺最近胃もたれが…」

雅紀「翔ちゃんおじさんじゃん！」

本当にたわいのない話をして、2人で夜道を歩く。

そして2人でタクシーに乗り込んだ。

翔「…こないだの失踪事件の人、まだ見つかってないんだな。」

スマホを触りながら、翔ちゃんはそう言った。

この辺りの俺たちと年齢が近い男性が遺書を残して失踪した事件。

それに俺はその男性に会ったことがある。

些細なことだったけど…

俺も他人事には思えない事件だ。

雅紀「…遺書が見つかってるのに遺体が見つからないのは不思議だよね。

何かの事件に巻き込まれているのかな…。」

翔ちゃんも少し険しい顔をしていた。

彼も大学で失踪事件について研究している。

だから俺たちは余計、この事件が気になっていた。

雅紀「…どんな形であれ、どうにかして見つけてあげたいね。」

翔ちゃんも頷いた。

でも翔ちゃんがスマホの画面に目を写したその時…

翔「…雅紀。

やばいことになってるかも…。」

雅紀「…へ？

どうしたの？」

突然翔ちゃんの顔つきが変わった。

翔「すみません！ここで降ります！」

翔ちゃんは俺の手をひいて、無理やりタクシーから降りた。

雅紀「ねぇ！どうしたの！？」

俺の声なんて聞こえていないのか、翔ちゃんはどんどん人気のない暗闇に入り込んでいく。