暁～last hope～ (ページ17)

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十五ページ17

雅紀side

翔ちゃんの別荘に住み始めて3日が経った。

翔ちゃんとのメール以外でスマホも触ってないし、テレビも見ていない。

怖い…

どうして俺が買ったハサミから大野さんの指紋が出てくるの…？

俺はただ、大野さんの失踪事件に協力したかっただけなのに…

もしかしたら、誰かにハメられてる…？

俺、誰かに恨まれてるのかな…

雅紀「っ…」

俺は首を横に振った。

雅紀「大丈夫…

俺はやってない。

翔ちゃんも味方になってくれてるし…」

一人でいると事件のことばかり考えてしまう。

♪～

雅紀「ぎゃあっ」

突然スマホが鳴り、思わず椅子から転げ落ちそうになった。

スマホを見ると

雅紀「翔…ちゃんか…」

まだ心臓がドキドキいってる。

雅紀「もしもし。

翔ちゃんどうしたの？」

翔『お前の職場にも刑事が来たみたい。』

雅紀「え…」

翔『…俺の職場にまで来た。

警察はお前のこと黒だと思ってる。』

雅紀「…どう…して

俺…何も知らないのに…」

涙が溢れた。

やってもいない容疑をかけられて、職場にも迷惑かけて、翔ちゃんにも…

不安と恐怖と同時に

怒りまで覚えた。

翔『お前がやっていないことは俺が一番よくわかってる。

俺がお前に容疑をかけた真犯人を見つけ出してやる。』

真犯人…

雅紀「…翔ちゃんも、俺に容疑をかけた人がいるって思ったの？」

俺の問いかけに、少しの沈黙があった。

翔『…

こんなのおかしいだろ。

お前と大野智が出会ったのすら、偶然じゃないのかもしれない。』

雅紀「…出会ったのすら？」

大野さんと出会ったのが、誰かの思惑だとしたら…

翔『それに、大野智が殺された事実もまだない。』

そうだ。

まだ大野さんが死んだって事実はない。

今は大野さんが見つかることが一番先決。

雅紀「大野さん…

どこにいるのかな…」