251話 頼む ページ11
潤side
皆に気を遣わせてしまった。
申し訳ないと思いながらも、俺は悩み続けた。
いつものリーダーなら『いいよ』って言ってくれるから、今回のリーダーの言葉に少しイラッとしてしまった。
でもリーダーがちゃんと考えて拒否したことはわかってる。
潤「…どうしたもんかなぁ。」
ニノと相葉くんが撮影に行ってしまって、楽屋には俺とリーダー、そして翔くんだけになった。
翔「…何かあった？」
翔くんが声をかけてくれたけど、リーダーが前にいるからなんだか言いづらくて。
メンバー同士で意見が分かれるのはしょうがないと思ってるけど、
いつも皆俺の意見に反対する人はいないから、むしろリーダーは意見を言ってくれてありがたい。
自分の意見じゃ不安な時もあるし…
潤「コンサートのことでちょっとね。」
俺がそう言うと翔くんは小さく笑った。
翔「一人で抱え込まなくていいのに(笑)
5人のコンサートなんだからちゃんと言えよ？
相談くらいしか乗れないけど。」
潤「翔くん…」
そうだよな…
自分一人で考え込むのはむしろ、メンバーにとったら失礼なのかな。
メンバーにだって、それぞれ考えはあるはずだし、俺が全部考えなければいけない訳ではない。
俺だけのコンサートじゃないから…
翔「松潤の考えた案はやっぱり俺たちが考えることができないから。
いつも一番良いコンサートの演出を考えてくれてありがとな。」
翔さんは笑顔で俺の頭をポンポンと叩いた。
その言葉で気持ちが楽になる。
潤「ありがと。翔くん。」
俺は意を決してリーダーの前に立った。
潤「リーダー、理由聞かせて？」
リーダーは俺から目を逸らさず、ちゃんと見てくれた。
智「フルでやるとなると、やっぱり体力的に厳しいかなって。
その後もある訳だし、その後の曲のクオリティーを下げたくないの。」
リーダーは真っ直ぐ俺を見てそう言った。
この言葉には色んな思いが綴られていると思う。
潤「そっか。
ありがとう。じゃあフルはやめよう！」
俺の言葉にリーダーは『え？』と言う。
潤「その尺しかもたないんでしょ？
じゃあリーダーはその尺で最高なダンス、魅せてよ。
それで後の曲へばってたら許さないからな。」
そう言って俺はリーダーの肩を軽く叩いた。
『頼むぞ』との意味を込めて。
リーダーも何も言わず、俺の手の上に手を重ねた。
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作者名：haru | 作成日時：2019年6月12日 20時
