10話 初めての握手会 ページ12
和也side
1999年11月3日、俺たちのデビュー曲、「A·RA·SHI」が発売された。
そして同じ日、初めての握手会が代々木で行われた。
まだ準備の段階だったけど、外にはたくさんのファンの方たちがいた。
和也「…俺たちの為にこんなにたくさん…」
ふと、自分が情けなくなった。
こんなことまでしてもらえて、こんなに俺たちを好きになってくれた人がいるのに
俺は、この人達の為に何が出来るのか。
雅紀「ニノー！
始まるよ！」
和也「はーい」
相葉さんに呼ばれ、ファンの方のところへ向かう。
キャー！！
今まで聞いたことのない歓声が聞こえた。
翔「…すごい。
こんなにたくさん…」
他のメンバーも言葉を失っていた。
あとから聞いたけど、その時のファンの人数は8万人だったそう。
俺たちは一人一人気持ちを込めて握手をした。
”応援してます！”
”大好きです！”
笑顔でそう言ってくれる、
俺はその時、初めてわかったんだ。
” しっかりやらなきゃ ” と。
もう逃げるという選択肢はない。
応援してくれるファンのみんながいる
同じ道を歩いていく仲間がいる
それだけで充分なんだ。
始めは嫌で嫌で仕方なかった
”アイドル”という仕事が
少しずつ頑張ろうと思えるようになってきた。
どうしたら辞められるのか、と共に相談し合ってきた翔さんが俺を見てこう言った。
翔「頑張ろうな」
俺はその言葉に大きく頷いた。
俺たちの中で、不安が決意に変わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru | 作成日時：2018年9月25日 13時
