ちぎれます ページ14
環「細胞分裂はしてなきゃヤバいでしょ」
傍観者として私達の滑稽な動きを見つめる環君。
貴「あれ、私 喋ってた？」
環「普通に喋ってた」
へえ
ってそうじゃない。
貴「あの、環君。助けて頂けないでしょうか？
私もう両手物凄い勢いで引っ張られてこのままじゃ大変なことに」
環「もう大変じゃん」
貴「分かってるなら助けて！」
ぎちぎちと関節が鳴る音がする。
待て、ヤバいぞこれ
冷静に考えて男子高校生二人に力ずくで引っ張られてるこの状況…
私の頭の中に私の両腕が外れる想像が渦巻く。
一「っ〜！はやく離してください！彼女が危ないでしょう！？」
悠「ぐぬぬ。お前が離せよ！！コイツの腕千切れるぞ！？」
両者譲るという思いは無いらしい。
問答無用で私の腕を引っ張っている。
どうすんねん、これ
・
・
「で？どういう事だ」
体育教師である先生が仏頂面で一織君の話を聞いている。
一「はい、私達四人で組みます」
私、一織君、環君、悠君が並んで先生の前に立っている。
「四人から二人組に別れれば済む話じゃないか」
一「そういう問題じゃないんです」
は？とでも言いたげな先生の表情。
ですよね、常識的に考えて先生の考えは確実に合ってる。
心の中でごめんなさいと先生に謝りながら先生の許可を得て四人で仕方なくリレー練習を始める。
土埃の付いたバトンをぎゅっと握って前方にいる一織君に渡そうと駆け出す。
貴「はい！」
一「…」
私が渡そうとバトンを差し出しているのに手に取ろうとしない。
貴「？…はい」
動かない。
手に取ろうとしないどころか私を凝視して動く気配すらない。
貴「い、一織君？？」
一「馬鹿じゃないですか！？」
…え？
突然、怒鳴られて訳が分からない私に一織君はため息を吐く。
一「このバトンどう見ても汚いでしょう！？
こんなに土埃が付いているのによく触れますね」
貴「そんな怒らないでよ」
一「貴方の手が汚れたら困るからでしょう！
雑菌がついてたりでもしたら…」
一織君がハッとしたように口を押さえる。
一「忘れてください、練習を続けましょう」
…ほんとに何なんだ
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山菜かるは - なぎ。さんありがとうございます！龍さんの悪気のない優しさがw 更新頑張りますね！ (2019年8月31日 19時) (
レス) id: 68eb26fbea (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。 - 面白い！更新頑張ってください！！(龍さん…悪気は無いんだろうけどw可愛いなぁ…) (2019年8月3日 14時) (レス) id: 2c3bf4091e (このIDを非表示/違反報告)
山菜かるは - わー！ありがとうございます！更新に波があると思いますが頑張ります！ (2019年8月2日 11時) (レス) id: 68eb26fbea (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 見てて楽しいです！更新頑張ってくださいー！！ (2019年7月28日 21時) (レス) id: 3c66989395 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山菜かるは | 作成日時：2019年4月3日 19時
