【土方十四郎】きこえますか 2

報われない ページ42

「もしかして、銀さんに会いたくてわざわざ来ちゃったの？
　きゃー！銀さん嬉しい」





土方がいない今、ここで挽回しねえと…
坂田銀時は焦っていた







だが、何を言っても全部スルーされる。
例えば、今日は俺のためにめかし込んでくれたの？

　 すっげぇ可愛いー！この髪自分で巻いたの？
　
挨拶されただけで、俺の質問は口をつぐんでいる




(答えちゃダメ、答えちゃダメ…)





「…」


こうなったら





「ねぇ、なんで土方のことが好きなの？」




本当はこんな質問したくない
だって、自分の首を絞めることになるじゃん




「…え、っとその」




なんで知ってるんだって顔で俺をみる
見れば誰だってわかる(アイツを除いて)





「あいつは諦めたほうがいいよ」





「え、、、？」




「アイツの仕事、人から好かれないし
　自分が傷つくことだってあるよ？」



お嬢さんは、反論しなかった





「いつもムスッとしてて鬼の副長と呼ばれるやつよりぃ？俺といたほうが絶対楽しいよ。それに、仕事人間でお嬢さんを構ってくれる時間だってないと思うし」








「私は…」







彼女ゆっくりと口を開いた






「それでもいいです。
　土方さんが、、、土方さんが好きだから」




本人の口から、
俺ではなくあいつに対しての『好き』が伝えられる
わかっていたことなのに、胸が酷く痛い
喉の奥が徐々に痛くなり始める





「いいと思うよ」



本心でない言葉が出てくる






「その気持ち大事にしろよ」












俺はその場から離れた













「はぁ〜…報われないポジって辛いわ」

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