【土方十四郎】きこえますか 2

予行練習 ページ27

「どれだけあんたのことが好きだったか、知らないくせに！
　勝手なこと言わないでよ！
　いつもそうよ…。私の心をかき乱して狂わせる」



『…』



「あの時の俺は幼くて自分のことで精一杯だった…。
　お前がそんなにも苦しんでたなんて知らなかった。
　でも、それは過去の話だ。やり直そう、また二人で」


「ごめんな」




下を向きすすり泣く女性を男性は優しく包み込む





「バカぁ…！」

泣きながら男性に身を委ね、エンドロールでドラマは終わった
私は終わった後の疾走感に酔いしれっていた

いい話だ〜…昼ドラが駄目だなんてうそだ
これから、沖田さんと一緒にみよう。
女優さん、好きって言ってたなー…

「…。」







練習してみようかな…。押し入れから枕を取り出した



１．枕を用意する。
２，白紙に土方さんと書く
３．白紙を枕に貼る





よし、できた
この枕を土方さんと思って伝えよう

「スゥー…。スゥー…。」

ただ息を吸うだけになってる…
これじゃだめなのに

「ﾋ…ｼﾞ，ｶﾀ，ｻﾝ！」





「ｽｷ」

やった…言えた！

そう喜んでいた束の間

「へぇ〜、そうだったんですね」



ま、まさか…


ゆっくり後ろを見ると


悪魔のような笑みをしたサドスティック星の王子がいました











あ、終わった

阻止しなければ→←昼ドラ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す