【土方十四郎】きこえますか 2

天パ去る ページ3

そう思ったら，胸が急に痛くなる


ま、また…本当は違うかもしれないのに
土方さんは私を心配して言ってるだけなのに



『天パと話すのは禁止』



あ…


そ、そうだ。約束してたんだった
ヒュッと血の気がひく
こんな姿を見られたら、私、私


「…」汗


嫌われちゃう




あ、あの…離して下さい


天パさんの胸を叩くけど、びくともしない
離れようとしてもがっしりホールドされてて
身動きがとれない


「2人でゆっくり過ごそうぜ、な？」



ご、ごめんなさい…私







バンッ！！


障子が大きく開けられた



「ここにくるたぁ、覚悟できてんだろうな
　万事屋ﾔｧ…」


「げっ」




ひ、土方さん…！


突然の登場に天パさんの力が緩む
その間に土方さんの元へ


「あぁ〜くそ。ドキドキ大作戦失敗か…」



「その話は逮捕して
　みっちり聞かせてもらおうか」




すると



「テメーに話すことなんて何もねーよ」


はぁ、と立ち上がり
あくびをしながら私たちのところに来る




「…こっちにくんじゃねぇ！」


私を後ろへ隠そうと
土方さんが私の手首をひっぱる



「誘拐しようとか思ってねーから、
　ご心配なさらず」


そのまま通り過ぎて、瓦屋根に飛び乗り



「絶対お嬢さんのことおとしてやるからよ
　せいぜい頑張れよ俺がいない間に」


天パさんはそう言って去ってしまった

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